鬼門を突破し、川崎フロンターレが独走態勢に入った。2位セレッソ大阪との直接対決を3-1で制し、今季2度目の8連勝。2位との勝ち点差は、18チーム34試合制となった05年以降では史上最多の14とした。過去7戦1勝だった敵地ヤンマースタジアム長居で完勝し、残りは13試合。10年名古屋の31試合目という史上最速V記録の更新も射程圏内にとらえた。

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たった2分間で、C大阪の息の根を止めた。1-1の後半38分、1分前にピッチに立ったFWレアンドロ・ダミアンファーストタッチでこぼれ球を押し込んで勝ち越し。1分後、同じく途中出場のMF三笘のゴールで相手の反撃意欲を断った。采配が的中した鬼木監督だが「全員の力だと思う」と手柄を脇に置いた。

選手層の厚さが生み出す圧倒的強さを維持するには、指揮官の“エッセンス”が欠かせない。試合前、鬼木監督は「決勝戦のつもりで戦おう。勝っても優勝が決まるわけではないけど大きく前進する。気持ちで負けないところを一番にいこう」と訴えた。17年の監督就任まで川崎Fの各カテゴリーでコーチを務め、多くの監督から声の掛け方を学んだ。「自分の心の底から発する言葉かどうかが大事。借りてきたような言葉は使わない」。飾らない熱い思いを発し続けては共有し、過去3年で2度のリーグ制覇に導いた。この日も過去1勝2分け4敗と苦手のヤンマーでも気後れさせず、攻めの姿勢を貫かせた。「追いつかれた後も我慢強く戦ってくれた。メンタルの勝利」と、うなずいた。

鬼門でも足止めを食らわず、2位とは史上最大の勝ち点14差。いまだ1敗、62得点19失点でひとり旅を続ける。史上最速Vも見えてきたが、鬼木監督は「一戦必勝で戦っていくのが大事。中3日でルヴァン杯(準決勝東京戦)。そこを勝たないと意味がない」と余韻に浸らなかった。リーグ最速V、ルヴァン杯天皇杯-。秋の訪れを前に、早くも3冠制覇が現実味を帯びてきている。【浜本卓也】

◆1位と2位の勝ち点差 3日の第20節第1日終了時点で首位川崎Fと2位C大阪の勝ち点差は14に広がった。1試合消化の多い東京が勝ち点41で暫定3位につけるが、18チームの年間34試合制になった05年以降、首位と2位の勝ち点差14は史上最大差だ。これまでの記録は18年最終節の12差で、2試合を残して優勝を決めていた川崎Fが69、2位広島が57。なお、2ステージ(S)制で大会方式が現在と異なる95年第2S第23節に首位V川崎(現東京V)が59、2位名古屋が45で14差という例がある。