地震が多い千葉県房総沖周辺ではまとまった地震活動「群発地震」と「ゆっくりすべり」が数年おきに繰り返し発生しています。去年12月に起きた千葉県での地震との関連性は? 「ゆっくりすべり」は何を意味しているのか?社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■震度1以上の地震9回 最大震度は2で震度3以上は0回
先月30日から今月5日までの期間、震度1以上の地震が9回発生しました。このうち最大震度は2で、震度3以上は一回もありませんでした。
■千葉県房総沖周辺での群発地震
12月19日午前0時ごろ、千葉県長南町で震度4を観測する地震がありました。震源は千葉県北東部。実は、この地震がおきたエリアは何年かおきに、まとまった地震活動がおきている場所です。
■2018年6月は1か月で震度1以上の地震26回発生
▼2018年6月から約1か月にわたり千葉県東方沖から千葉県北東部・南部付近にかけて地震活動が活発になりました。 ▼6月3日から30日までに最大震度1以上を観測した地震は26回発生。 ▼26回のうち、最大震度4を観測した地震が2回、震度3を観測した地震は6回ありました。 ▼このうち最大規模の地震は6月12日に海域で発生したマグニチュード4.9の地震。6月16日にはマグニチュード4.4の地震、さらに6月26日にはマグニチュード4.3の地震がおきています。
■2014年にも同領域で地震多発
2014年1月にも2018年6月と同じようなエリアで地震が頻発していました。この領域内で起きた地震の回数積算図の矢印は、1996年、2002年、2007年、2011年、2014年、2018年を指していて、これらの年にはまとまった地震活動と、さらに「ゆっくりすべり」という現象が一緒におきていました。
■「群発地震」と「ゆっくりすべり」4~5年おきに繰り返し発生
去年12月19日に発生した地震の領域ではマグニチュード4から5クラスの「群発地震」と「ゆっくりすべり」が1~2週間あるいは、1か月ほど続くという現象が、4年から5年の間隔で繰り返しおきています。
■「ゆっくりすべり」
これらの地震の共通点①は「フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生」。共通点②は群発地震と一緒にプレートの境界で「ゆっくりすべり」という現象が起きていること。 「ゆっくりすべり」とは、ゆっくりと断層が動くが地震波を発生させずにひずみを解放する現象です。